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6. 中国語の表示

この章はどのようにして中国語ドキュメントを印刷するか解説しています。しかし プリンタの設定については解説していません。プリンタはすでに設定されている ものとします。この章で紹介されているツールは全てPostScriptフォーマットに変換 するものです。プリンタはPostScriptファイルを印刷できるようにしておく必要が あります。もしプリンタがPostScriptを直接サポートしていないなら

ghostscript

を代わりにインストールしておきましょう。また

Printing HOWTO.

も参考にして下さい。

6.1 cnprint

cnprintは中国語テキストファイルをPostScriptフォーマットに変換するための 印刷ツールです。コマンドは標準のものと同じです。GB, HZ, BIG5コードをサポート しています。

どこで入手できますか?

ftp://ftp.ifcss.org/pub/software/unix/print

からダウンロードして下さい。ファイル名はcnprint280.tar.gzです。

cnprintの設定

cnprint280.tar.gzは5つのファイルから成ります。

# ls
cnprint.1          cnprint.cmd        cnprint280.README
cnprint.c          cnprint.help

以下のようにしてコンパイルします:

# gcc cnprint.c -o cnprint
# mv cnprint /usr/local/bin
# mv cnprint.1 /usr/local/man/man1

HBFフォントのインストール

HBFフォントは記述ファイル(description files)とフォントファイルを含んでいます。 ここで.hbfはフォントを記述したヘッダファイルです。プレーンテキストで フォントファイルのファイル名が記録されています。 記述ファイル、フォントファイルをインストールしておく必要があります。 これらは

ftp://ftp.ifcss.org/pub/software/fonts/

にあります。

例えばSung-模倣スタイルフォントタイプのccfs24.hbfを使いたい時は 以下3つのファイルを入手しなければいけません:ccfs24.hbf , cclib.n24ccsym.24。ifcssフォントディレクトリの 00index.txtファイルにHBFフォントファイル名をリストしてあります。

HBFフォントをストアするディレクトリを指定します(例えば/usr/local/lib/chinese/HBF/)。HBF記述ファイルとフォントファイルを全てこのディレクトリに置 きます。そして環境変数にHBFのパスを入れておきます:

# export HBFPATH="/usr/local/lib/chinese/HBF/"

cnprint.cmdファイルはcnprint用のデフォルト値を指定していま す。インストールしたHBFフォントを指定しておき、$HBFPATHに exportします。

# cp cnprint.cmd $HBFPATH

コマンドcnprint -w FILENAMEを使って中国語テキストファイルを PostScriptファイルに変更することができます。詳しくはman cnprintして 調べて下さい。

コード変換

cnprint 2.80は様々なフォーマットに変換する見事な機能 が追加されています。例えば、

BIG5 <=> GB <=> HZ.

BIG5 <=> GBについては、他のテーブルをインストールしておく 必要があります。以下のサイトから入手して下さい:

ftp://ftp.ifcss.org/pub/software/unix/convert/hc.tab
これをHBFのフォントディレクトリに置いて、cnprint.cmdに以下の行を 追加修正します。
DEFAULT_GBB5_TABLEFILE: /usr/local/lib/chinese/HBF/hc.tab

GBコードのBIG5については、cnprint 2.80単語から単語の変換 だけでなくフェーズからフェーズについても動作させることもできます。 しかしcnprintそれ自身は変換用の辞書を提供していません。つまり必要なら ユーザー自身がその辞書を作る必要があります。詳しくはman cnprintを 参照して下さい。

6.2 ps2cps

この小さなプログラムの目的は中国語を扱えない出力デバイスで中国語の出力を 行えるようなPostScriptファイルを作ることです。 例えばNetscapeでファイルを印刷する時、はじめにPostScriptフォーマットに 変換します。しかしPostScriptの出力が中国語フォントをロードすることが できず、その結果中国語のオリジナル部分はdisturbedコードになってしまいます。

このプログラムはPostScriptを読み込みdisturbedコードを対応する単語に置き換え ます。そして結果を標準出力デバイスに出力します。出力はPostScriptドキュメント を印刷できるプリンタに送ることもできます。

このサイトからps2cps をダウンロードして

ftp://linux.cis.nctu.edu.tw/packages/chinese/misc/ps2cps-0.1.tgz
展開します。必要に応じて Makefileを修正して下さい:
    BINPATH    : ps2cpsバイナリファイルをインストールするパス 
    PS2CPSPATH : PS2CPSのリソースファイルパス 
    PS2CPSRC   : PS2CPSのリソースファイルの名前

次のステップはmake all installです。前の章に対応するHBF中国語フォントを インストールしてps2cpsrcファイルを修正しておきます:

    HBF_PATH:      HBFフォントのディレクトリパス名を定義
    HBF_NAME:      HBFフォントのファイル名を定義(パス名は不要です)
    CH_WORD_SHIFT: 中国語フォントのシフトを定義

最後のアイテムは中国語フォントの位置の調整に使われます。ある中国語フォント とオリジナルの英語フォントはおそらく同じ水平レベルライン(horizontal level line) にはないので、この変数を-1.0から+1.0(上下)の範囲でセットすることができます。

そしてテストを行うために:

# ps2cps thhsieh.ps > c-thhsieh.ps

中国語の単語が見れるかどうかghostviewを使って確認してみて下さい。

しかしこのプログラムはまだβ版なので多くの問題があります。質問やお奨め があったら作者に直接メッセージを送ることもできます: Tung-Han Hsieh < thhsieh@twclx.phys.ntu.edu.tw>。

6.3 bg2ps

これはBIG5ベースの中国語ファイルを印刷できるPostScriptに変換するプログラム です。cnprintと同じです。しかしTrueTypeフォントを使っているので出力は 他のものよりとても美しいです。さらにNetscapeの出力したPostScriptを中国語に 変換することができるスクリプトが付いています。作者は Chen-Shan Chin < cschin@u.washington.edu>です。

このソフトウェアは以下のwebサイトから手に入ります:

http://weber.u.washington.edu/~cschin/bg2ps/

bg2psのインストール

展開してコンパイルします:

# mkdir bg2ps
# cd bg2ps
# tar xzvf bg5ps.tgz 
# gcc -O2 ttf2psm.c -o ttf2psm

次にTrueTypeフォントをインストールします。bg2psと同じディレクトリや 他のディレクトリ以下にインストールすることが可能です。詳しくは TTFフォントのインストール章を参照して下さい。 ディレクトリ以下に.bg5ps.confを作って、このプログラムに付いている サンプルファイルを取り出します。もっとも重要なのはTrueTypeフォントを どこのディレクトリにインストールしたかchineseFontPathに指定することです。 またfontNameの中身を使っているフォント名に直します。

附属しているサンプルを、ghostviewあるいはgvに出力してみて、 テストしてみます。

# ./bg5ps -if test.big5 -of test.ps
# ghostview test.ps

nps2cpsのインストール

nps2cpsは設定ファイルを持っていません。各自nps2cpsスクリプトの chineseFontPathfontNameを修正する必要があります。

nps2cpsのテスト:

# nps2cps < netscape.ps > test.ps
# ghostview test.ps

6.4 gb2ps

gb2psプログラムはGB、HZコードを印刷するためのツールです。

gb2psはどうやって入手するの?

Package:

gb2ps.2.02.tar.gz       
ftp://ftp.ifcss.org/pub/software/unix/print
Fonts:

csong24.ccf     ckai24.ccf
cfang24.ccf     chei24.ccf   
ftp://ftp.ifcss.org/pub/software/fonts/gb/misc/

作られたディレクトリ(/usr/local/lib/chinese/CFONTなど)にフォントを 置きます。

gb2psのインストール

gb2psをコンパイルする前にMakefileの設定を変更します。

CFONT=/usr/local/lib/chinese/CFONT/
COVERPAGE=/usr/local/lib/chinese/lib/cover.ps

以下のコマンドを実行します。

# make
# cp gb2ps /usr/local/bin


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