固定周波数型のモニタの場合、モニタの規定走査周波数を超えては絶対に いけません。これをやってしまうと機器から煙が出てくるかもしれ ません! マルチシンクモニタでも、周波数を上げすぎると些細ながらいろいろ な問題が出る可能性がありますので、注意してください。
その逆に、モニタの最高周波数帯域より高いピクセルクロックを使っても比較 的安全です。 (注意: ピクセルクロックがモニタの帯域幅の倍になると、認識可能機能の 理論的な限界に達してしまいます。これは Nyquist の理論の単純な応用です: ピクセルを空間軸上に離散した駆動信号の標本系列と考えると、理由が分かる と思います。)
決められている最大同期周波数を超えると問題が起こりやすくなります。 最近のモニタの中には、危険な走査周波数に対してモニタを消すような保護回路を 装備しているものもありますが、これを過信してはなりません。特に、水平同期用の トランスを一つしか持っていない(Multisync II のような)古いマルチシンクモニタ もあります。これらのモニタを過負荷から保護する事はできません。高電圧安定回路 は確実に備わっていますが、特に安いモニタでは、かならずしも考えられる全ての 周波数帯域をカバーしているとは限りません。このため、電子回路が早く傷む だけでなく、画面の発光体も早く傷み、規定以上の(X 線を含む)放射線がモニタ から放出されることになります。
帯域についてもうひとつ大切なことは、モニタの入力インピーダンスはモニタの 帯域内だけで規定されているので、高い周波数を使うと反射が起こり、軽い 画面上の干渉と電波障害が起こる可能性があります。
しかしながら、ここで問われている根本的な問題はビデオ出力ドライバ回路の スルーレート(ビデオ信号の立ち上がりの傾斜)です。このスルーレートは実際 のピクセル周波数と普通は無関係ですが、(ボードのメーカーがこのような問 題に注意を払っていれば)ボードの最大ピクセル周波数と関係があります。
これらに注意しつつ作業をしましょう…。