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11. フロッピー起動の NFS サーバ

この節は Ron Peters rpeters@hevanet.com によって書かれたものです。フロッピーからブートして、 NFS サーバを設定する方法を解説しています。この方法は、 CDROM のないマシンに Linux をインストールする場合に、 他の非 Linux/UNIX マシンに CDROM を NFS エクスポートさせる ことを目的として考案されました。

11.1 はじめに

この文書は、私が最近出会ったものと同じ問題に突き当たった人のために 作成しています。私は CDROM ドライブがないマシンを Linux サーバに しようとしていました。また CDROM を追加することもできませんでした。 外付けの SCSI CDROM などは可能だったかもしれませんが。今では こんなマシンはどんどん少なくなっているでしょうから、この文書の価値も それほどたいしたものではないかもしれません。でも、サーバを 作ろうとしていた当時の私は、この文書があればきっとありがたいと 思ったでしょう。

私のマシンには CDROM ドライブがなかったので、私はまず Win95 用の NFS サーバを探し、インストールしてネットワークにつなぐまでの間だけ CDROM を共有させようとしました。そのような製品は二つありました ( 名前は紹介しませんが、一つはフリーウェアで、もう一つは 14 日間の 試用ができるライセンス付きのものでした)。一つは私のマシンでは 動作せず、もう一つは Linux 向けのファイル名をうまく扱えなかったので、 インストールを完了させることができませんでした。

そこで私は自分の Win95 マシンを boot/root フロッピーでブートさせ、 追加ディスクでもって、こいつを NFS サーバにセットアップしてみることに しました。

これは実に単純で、手順もおそらくこの文書を読むより楽なくらいかも しれませんが、手続き全体を一つのところにまとめておくことによって、 また別の価値が生じるのではないかと信じます。

11.2 環境

この文書のもとになった作業で用いた boot/root ディスクは、 InfoMagic による Slackware の最近の developer distributions のものです。 boot/root ディスクのカーネルとしては 2.0.34 を用いました。しかし NFS プログラムは 2.0.30 サーバのものから持ってきました。 私はインストールにはいつも Slackware を使っていますが、これは Slackware が簡単だとか良いとか悪いとかではなく、単に私が Slackware を快適に使えていて、他の方法を試す時間がなかったからです。

この文書の方法を別のバージョンの Linux で使っても、それほど多くの 問題が出るとは思えません。個人的にはできるだけ新しいものを使うことを お薦めします。最新の boot/root セットでは、こちらがインストールに 用いられていることが多いだろうからです。

選択はあなたのお好きなように。

11.3 必要条件

11.4 サーバのセットアップ

臨時 NFS サーバをブートする

NFS サーバシステムをブートフロッピーからブートし、 ネットワークカードが認識されていることを確認します。 CDROM ドライブも認識されている必要があります。 以下ではネットワークカードの例として eth0 を用います。

フロッピーと CDROM をマウントする

システムが立ち上がったら、 boot/root フロッピーは必要ありません。 システムは全て RAM に含まれています。

root フロッピーを追加ディスクに入れ換え、フロッピーをマウントします。

mount /dev/fd0 /floppy
ここではフロッピーは ext2 ファイルシステムだとしています。 ファイルを入れておく追加ディスクは DOS フロッピーでも良いかもしれませんが、 私は試したことがありません。ディスクを作るの時にはこちらの方が 簡単なのかもしれませんね。この場合は mount -t msdos ... のように 入力することになるでしょう。この内容は TODO の節に入れておきますね。

さて、 CDROM をマウントします。

mount -t iso9660 /dev/hdc /cdrom
フロッピーと CDROM デバイスは私の環境のものです。場合によって 異なるでしょう。 /floppy や /cdrom などのマウントポイントは root フロッピーのディスクイメージにありますので、これを使います。 もしこれらがなければ、適宜作ったり既存のものを利用したりしてください。

臨時サーバのネットワークをセットアップする

ここで臨時 NFS サーバがネットワークで会話できるようにします。 必要なコマンドはわずかですが、コマンドを実行する前に 知っておかなければならない情報がいくつかあります (値は例です)。

IPADDR:172.16.5.100

臨時サーバのアドレスです。

NETMASK:255.255.255.0

ネットマスクです。

BROADCAST:172.16.5.255

最後の番号 (255) が IPADDR と異なります。

ETHNETWORK:172.16.5.0

同じく、 IPADDR とちょっとだけ異なります。

GATEWAY:172.16.5.251

ゲートウェイがなければ不要です。値は知っているでしょう。 家庭のネットワークにはゲートウェイのない場合も多いでしょう。

ネットワークを利用できるようにするためのコマンド群です。 上記の値を代入してください。

ifconfig eth0 inet IPADDR arp netmask NETMASK broadcast BROADCAST
route add -net ETHNETWORK netmask NETMASK eth0

ゲートウェイがない場合や、あっても必要ない場合には、 次のコマンドは不要です。

route add default gw GATEWAY netmask 0.0.0.0 eth0

全てうまくいけば、ネットワークに接続しているはずです。 他のノードとの ping のやりとりもできるはずです。

NFS 共有のセットアップ

NFS で共有させるディレクトリを決めます。この例の場合は、 /cdrom/slackware ディレクトリになります。このディレクトリを /etc/exports ファイルに書きます。

echo "/cdrom/slakware" > /etc/exports

NFS サーバを実行する。

/floppy/urs/sbin に移動して以下を実行します。

./rpc.portmap
./rpc.mountd
./rpc.nfsd

完了。インストール開始

これで /etc/exports ファイルに書いた "/cdrom/slakware" ディレクトリは共有可能になったはずです。 以上がすんだら、インストールを行いたいマシンを boot/root フロッピーで 起動して (私は NFS サーバに使ったのと同じものを使いました)、 インストールを開始しましょう。

メディアソースの場所を選ぶところで、 NFS サーバの選択肢を選びます。 サーバのアドレスを尋ねられるでしょうから、サーバの IPADDR に指定した IP アドレスを入力しましょう。続いてマウントするディレクトリを 聞かれるでしょうから、 NFS サーバの /etc/exports に書いた ディレクトリを答えてください。

するとインストールシステムはサーバから NFS マウントできるはずです。 エラーメッセージが出ないかよく見てください。 問題なくいったら、インストールを続けましょう。

11.5 トラブルシュート

今のところなし。

トラブルシュートの情報は今のところありません。 おそらくこの手続きを使う人が増えれば、たくさんの技やヒントが 集まってくるでしょう。

11.6 TODO

DOS ディスク

追加ディスクに DOS のディスクを使う方法を調べる。

rpc コマンド

rpc.* コマンドの実行順序と、これら全てを実行する必要が あるのか、一部で良いのかどうかを調べる。


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