この章では、ユーザがメールを読んだりするための、ユーザーエージェントに ついて書きます。これは、先に書いたトランスポートエージェントと連係する ものです。
Linux 上で Elm は全く問題なくコンパイル、インストール、実行ができます。 elm のソースファイルとインストール説明書に、詳しく書かれています。
ただし、Elm の設定スクリプトである config.sh で、変数 ranlib が誤って 設定されますので注意して下さい。Elm 開発チームは、既にこの問題について知っ ていますので、これ以上迷惑をかけないようにして下さい。
処理の実行前に config.sh の変更が可能ですので ranlib='ranlib' と変更し ます。そうしないと、コンパイル終了後にリンクが実行されません。
config.over
というファイルを作成して次のような行を書き入れま
す。
ranlib='ranlib'
#---------- /usr/local/lib/elm/elm.rc ------------------ # # this is the unqualified hostname hostname = myhostname # # this is the local domain hostdomain = subdomain.domain # # this is the fully qualified hostname hostfullname = myhostname.subdomain.domain # #--------------------------------------------------------ただし、MIME 形式のメールを読むには、 MIME 形式を利用できるようにコン パイルされた Elm を使い、(パスの通っている所に) metamail をインストー ルしなければなりません。 Metameil については metamail の節を見てくださ い。
v2.4.5 より新しい gcc や v4.4.4 より新しい gcclib では Elm のコンパイ ルに失敗するという報告があります。 ccnp@unitrix.utr.ac.za (Neil Parker) さんが longyear@netcom.com (Al Longyear) さん の報告を引用したものを、ここに引用します。
if (fp->_flag & _IOERR) ... となっているところを if (ferror(fp)) .... と変えてください。 if (fp->_flag & _IOEOF) ... となっているところを if (feof(fp)) ... と変えてください。 これらは ANSI/POSIX の規格で同じ関数になっています。
Linux アーカイブサイトには、 mailx のバイナリがあります。 v5.3a にはセ キュリティ上の問題点がありますので、 5.3b 以降のバージョンを入手して下 さい。ソースからコンパイルしたい場合には、 mailx v5.5 ならば Linux で パッチなしにインストールできます。
sunsite のバイナリ配布で、問題になる可能性があると思われる点は、 /usr/lib/sendmail ではなく /usr/lib/smail をトランスポート・エージェン トとして使うようにコンパイルされている、ということだけです。そのために、 sendmail のリンクを張る必要があるかもしれません。
もしもまだ SLS1.00 の古い "edmail" を使っている人がいれば、これを mailx と置き換えることを是非お勧めします。
これは Linux の問題ではなく、一般的なことですが、メールの Subject など のヘッダに日本語を使うためには MIME エンコードされた文字を用いなくては なりません。 エンコードされていない漢字のヘッダをつけることは、メール リーダーによっては文字化けの原因になります。metamail による MIME エン コーディングをすれば、ヘッダの漢字のみならず、画像や音声などのデータを メール本文に含めることもできます。metamail は MIME エンコードされたネッ トニュースを読むためにも必要です。(GNUS などのニュースリーダーから呼び 出されます)
metamail はたとえば以下のサイトから入手できます。
mm2.7.tar.gz などというファイル名で登録されています。config.h の冒頭に
#define LINUXを宣言してやれば簡単にコンパイルできます。
VM は Emacs から利用できるメイルインターフェイスです。フォルダを作って メールを分類する機能があります。metamail を利用して MIME を読むことの できるパッチ (5.35W) などもあります。
VM およびそのパッチは以下のサイトなどから入手できるでしょう。
わたしの経験では、5.35W はいくつかの emacs lisp ファイルを手動でコンパ イルしなくてはなりませんでしたが、それでもインストールは簡単です。
Linux で動くことが知られているものを、下に書きます。どこにあるかなどは archie で調べて下さい。