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1. 始めに

通常のプログラムが引数リストを受け取れるように、カーネルにも 制限付きではありますが起動時に「コマンドライン」としていくらかの情報を 受け取る機能があります。普通は、こういった機能はカーネル自身が検出する ことのできないハードウェア情報を渡すことに使われたり、カーネルによる 検出を押さえたり、あるいは検出した情報を書き換えるのに使用されます。

しかし、単にカーネルをフロッピーに(例えば cp zImage /dev/fd0 で) コピーしてしまうと、カーネルに引数を与えられません。そこで、ほとんど の Linux 利用者は LILOloadlin といったソフトを使って、引数を カーネルに渡した後に起動を行います。

この文書は、現在の版では v2.2.9 までのカーネルについて記述しています。また、 v2.3.2 までの開発・試験カーネルに固有の機能については、一部対応しています。

BootPrompt-HOWTO は、

Paul Gortmaker, p_gortmaker@yahoo.com
が書きました。

1.1 免責、および著作権について

この文書は Paul Gortmaker の著作物です(Copyright (c) 1995-1999)。 この文書の末尾にある免責と著作権に関する情報 ( copyright)を見て、この文書の再配布に関す る情報と、お約束の「あなたが何か損害を受けても我々の責任ではありませ ん…」といった種類の法的事項に関する情報を確認してください。

1.2 想定している読者と適用できる分野

ほとんどの Linux ユーザはこの文書を見る必要さえないはずです。 Linux はほとんどのハードウェアを非常にうまく検出し、ほとんどのパラメー タに適切なデフォルト値を設定してくれます。この文書に書かれている情報は、 特定のマシン向けにカーネルを最適化するためにデフォルト設定をいくらか変 えたいと思っているユーザや、あまり一般的でなく現時点では自動検出ができ ないハードウェアをサポートするために独自のカーネルを作っている人のため のものです。

重要な注意: ドライバ関連の起動時引数は、直接カーネルに組み込まれ たドライバにしか適用されません。つまりモジュールとしてロードされたカー ネルに対しては無効です。ほとんどの Linux ディストリビューションに 付属している基本カーネルは「骨と皮」だけであり、ドライバはカーネルが初 期化された後にロードされる小さなモジュールの集まりになっています。 モジュールを使っているかどうかがよくわからなければ、 man depmodman modprobe のオンラインマニュアルと /etc/conf.modules ファイルの内容を合わせてみてください。

1.3 関連文書

カーネルソースこそが常に最新の情報です。ちょっと待った。そこでおじけ づかないでください。ソースファイルのコメントを読むのに、プログラミング の知識は不要です。例えば、AHA1542 SCSI ドライバにどんな引数を渡せるのか 知りたければ、linux/drivers/scsi ディレクトリに移動して、 aha1542.c を見ましょう。そして、先頭の 100 行ほどの部分に簡単 な英語で書かれている 1542 ドライバ用の引数の説明を読めばいいのです。

linux ディレクトリは大抵のディストリビューションでは普通、 /usr/src/ にあります。本文書では、カーネル付属の文書への参照 は、パス名を linux と省略します。したがって linux の前には /usr/src/ や、お使いのシステムに合ったパス名を加えなければな りません。(ファイルのある場所が分からなければ、find コマンドか locate コマンドを使ってください。)

次善の文書はカーネルといっしょに配布されている文書類です。 現在は少なくない数のファイルがあり、そのほとんどは linux/Documentation ディレクトリとそのサブディレクトリにあり ます。README.foo といった名前のファイルが関連するドライバのディレ クトリにあることもあります(例: linux/drivers/???/, ここで ???scsi, char, net など)。

どの起動時引数を使えばよいかが分かり、次にこれをどうやってカーネルに 渡せばいいかが知りたくなったら、あなたがお使いになっているカーネル起動 ソフトウェア(例: LILO や loadlin )に付属している文書を参照してくださ い。以下でも簡単に説明しますが、起動ソフトウェア付属の文書に代わりうる ものではありません。

1.4 Linux 関連ニュースグループ

カーネルに渡す起動時パラメータに関して疑問がある場合、まずはこの文書を 読んでください。この文書やすでに紹介した関連文書があなたの疑問に答えら れない場合は、Linux ニュースグループで質問するとよいでしょう。 システムの設定方法に関する一般的な質問は、comp.os.linux.setup に出すべき です。ここに挙げた一般的な方針を守り、他のニュースグループへ多重投稿し ないよう、お願いします。

もちろん、何も考えないで質問を出すのではなく、ニュースグループをよく チェックすべきでしょう。というのも、あなたの質問はよくある質問 (Frequently Asked Question, FAQ)かもしれないからです。 質問の前に Linux FAQ にざっと目を通しておくのは良いことです。 また、あなたがこの文書を入手した場所の近くにも、FAQ があるはずです。 あなたの質問が FAQ でなければ、http://www.dejanews.com のよう なニュースグループのアーカイブを使ってここ数年の投稿を簡単に調べ、あな たの質問を投稿すべきどうかを確認してください。あなたが抱えている 疑問について誰か別の人が質問している(そして誰かが回答している!)可能性 があります。

1.5 この文書の最新版の入手方法

この文書の新版は、Linux 関係の FTP サイトの /pub/Linux/docs/HOWTOディレクトリから anonymous FTP を使用し て入手できます。新しい情報が入ったり、新しいドライバができたりしたとき に、更新を行います。今、あなたが読んでいるこの文書が 6 ヶ月前のもので したら、新しい版がないかどうかを調べるべきでしょう。筆者はこの文書は WWW ブラウザで読むか、PostScript/DVI 形式で読むことをお勧めします。こ れらの形式は、単純なテキストファイルでは欠落してしまう相互参照を利用で きるからです。

正式な版が欲しければ、以下の URL から入手してください。

BootPrompt-HOWTO

(訳注: 日本語版の正式 URL は http://www.linux.or.jp/JF/docs/BootPrompt-HOWTO.html です。)


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